お腹の中のちょうちょ

ピアニスト田坂麻木の音楽と関係あったりなかったりな日々の記録

【for B】④Rhapsody No.2/ラプソディー2番

今日はブラームスが作曲した2つのラプソディーop79/2について…

 

1877年から1879年にかけて、ブラームスは夏の間、オーストリア南部のケルンテン州にあるペルチャッハという町で過ごしました。

この町はアルプスの山々に囲まれ、ケルンテン州最大の湖、ヴェルダー湖が美しく水面を輝かせる自然豊かな地です。

ブラームスはこのペルチャッハの自然の美しさを好み、親交のあったクララ・シューマン(1819-1896)に宛てて「(ペルチャッハには)たくさんの旋律が飛び交っていて、それらの旋律を踏みつけないようにしなければならない」と手紙を書いたそうです。


このラプソディーも3回目の滞在であった1879年の夏に同地で作曲が開始され、翌年1880年ブラームス自身によって初演されました。


この作品はブラームスが最も心を許したと言われる弟子の作曲家エリーザベト・フォン・シュトックハウゼン(1847-1891)に献呈されています。


2曲からなるラプソディの、今回は2番をお届けします。曲の冒頭から1小節ごとに転調し、雄大な景色を作り上げます。大自然の寛大さをベースに、美しく儚げに奏でられる心情をお楽しみ頂ければとおもいます!

 

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田坂麻木 ピアノリサイタル

for B

2019/10/05(土)

19:00開演(18:30会場)

@和光大学ポプリホール鶴川

チケットはこちらから:

田坂麻木 ピアノリサイタル -for B- in東京 - パスマーケット

 

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【for B】③ Italian concerto/イタリア協奏曲

人生で一番最初に聞いたクラシック音楽って覚えていますか?

 


父の書斎で見つけた

白地にオレンジと茶系の絵画がプリントされたCD。

収録されていたのは、バッハイタリア協奏曲

それが私の初めて聴いたクラシック音楽でした。

 


イタリア協奏曲(独語:Italienisches Konzert)BWV971はバッハ作曲の1735年に出版された、チェンバロ独奏のための全3楽章の協奏曲です。

 


一瞬で惹き込まれ、

この曲ばかり聴いていました。

いつかこれを弾けるようになりたい、が

ピアノを弾けるようになりたい、になり

ピアニストになりたい、と夢に変わるまで

時間はかかりませんでした。

 


収録はピアノではなく、チェンバロで演奏されているものだったのですが。笑

 


チェンバロとは、姿形はピアノに似ていますが構造や音質は全くの別物。内部に張り巡らせている弦をハンマーで叩いて発音するピアノに対して、弦自体を爪で弾いて音を出すチェンバロはギターのような音を奏でます。

 


チェンバロで再現されていた弦楽器のアンサンブルのような豊かな音に、現代のピアノがもつ管楽器や歌声のような伸びやかな響きを織り交ぜ、表現の幅が広がったイタリア協奏曲をお楽しみにいただければと思います。

 

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田坂麻木 ピアノリサイタル

for B

2019/10/05(土)

19:00開演(18:30会場)

@和光大学ポプリホール鶴川

チケットはこちらから:

田坂麻木 ピアノリサイタル -for B- in東京 - パスマーケット

 

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【for B】②Nutcracker くるみ割り人形

前回に引き続きチャイコフスキーバレエ音楽作品について。今日は皆さん1度は耳にしたことがある、《くるみ割り人形》のお話です☺️

 

主人公はシュタールバウム家の末娘、クララ。

クリスマスイブの夜、自宅ではパーティが開かれ、子供も大人もダンスを踊って楽しい時間を過ごしています。

そこに、魔法使いのようなミステリアスな雰囲気を持つドロッセルマイヤーおじさんが、子供たちにクリスマスプレゼントを配ります。

クララは、不格好な「くるみ割り人形」をもらい、なぜかとても心惹かれるのでした。

ところが兄のフリッツと人形の取り合いになり、くるみ割り人形は壊れてしまいました、、。

クララは自分のドレスの白いリボンを人形に巻き、夜遅くまで一人で看病します。

真夜中の12時の鐘が鳴った途端に、なんとクララの体は小さくなり、人形ほどの大きさになってしまいました!


そこから聖なる夜の夢のような冒険が始まります。くるみ割り人形は王子に変身し、クララをお菓子の国へ誘います。そこで出会う、金平糖の精、美しい雪化粧の松林、ロシアや中国の踊り、、、

どこかで耳にした馴染み深い曲がたくさん出てきますので、どうぞお楽しみに😌

 

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田坂麻木 ピアノリサイタル

for B

2019/10/05(土)

19:00開演(18:30会場)

@和光大学ポプリホール鶴川

チケットはこちらから:

田坂麻木 ピアノリサイタル -for B- in東京 - パスマーケット

 

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【for B】① Sleeping Beauty 眠り姫

残暑の中にも秋の風を感じる季節になりました。皆さまお元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

さて、10月5日のリサイタル-for B-に先立ちまして、当日のプログラムノートには書ききれない各曲の説明を、ブログにて5回にわたってお届けしたいと思います。


新しく始まるプロジェクト"letter series(文字シリーズ)では、文字に纏わる音楽を並べます。

第一回は""。

3大Bと称されるバッハ(Bach)、ブラームス(Brahms)、ベートーヴェン(Beethoven)の馴染みのある曲に加え、(Ballet music)バレエ音楽より、チャイコフスキーの"眠り姫"と"くるみ割り人形"をお届けします。

 


今日のブログではチャイコフスキー《眠り姫》について綴っていきたいと思います。

 


今回お届けするチャイコフスキーの曲はピアニストであり指揮者としても活躍しているミハイル・プレトニョフがピアノ版に編曲したものです。2時間半以上に及ぶバレエ演目から抜粋し、オーケストラの編成を見事にピアノに反映させています。その中から5曲を抜粋して演奏します。

 


まずは眠り姫のお話を簡単に。

なかなか子供のできない夫婦のところに、待望の娘が生まれます。名前はオーロラ、両親は盛大なお祝いを催します。森の妖精たちも招待され、1人1つずつ贈り物を持ってやってきます。

森にいる妖精は全員で12人、しかし用意されてるお皿は11枚。どうやら招待されていない妖精がいるようです。

それこそが、後にオーロラ姫を100年の眠りにつかせる元となる妖精カラボスです。

 

招待されなかったことに腹を立てた妖精カラボスは、誕生会に乗り込んできます。15歳の誕生日に指を刺して死ぬという呪いをかけに…


そこに現れたのが救いの妖精リラの精。カラボスの強力な呪いの魔法を1人で解くことは出来ずとも、オーロラを100年の眠りにつかせ、お祝いのパーティに参加した全員の時を止めます。


-運命の人が迎えに来たら、眼が覚めるようにと。


…ここまでが、《眠り姫》1曲目で起こる物語です。笑

 


100年の時を経て、、、森に狩りにある国の王子がやってきます。彼こそがこそがオーロラ姫の運命の人。リラの精は、王子を森の深くに眠るオーロラの元へと誘うべく、美しい姫の幻想を見せます。

このシーンが第3曲Visionで表現されています。

 

物語が進むにつれて、銀の精や、オオカミと赤ずきんも?!出てきます。


童話の世界に華麗な音楽で色付けられた作品をお楽しみにいただけたら幸いです☺️

 

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田坂麻木 ピアノリサイタル

for B

2019/10/05(土)

19:00開演(18:30会場)

@和光大学ポプリホール鶴川

チケットはこちらから:

田坂麻木 ピアノリサイタル -for B- in東京 - パスマーケット

 

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【Duo Parel 国民楽派-終演-】

 

先週の土曜日、

DuoParel2回目の演奏会

国民楽派のしらべ】が無事終演いたしました!

 

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今回も会場いっぱいのお客様と

音楽を共有できました事、とても嬉しく思います。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。


また、遠方より会場にお花を贈って頂いた皆様も

暖かなお心遣いに感謝いたします。

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今回は北欧、ロシア、東欧を音楽で巡りました。
シベリウスグリーグも今回初挑戦でしたが、

北欧の壮大な自然、寒々しい風、神秘的な森、

妖精の踊りを感じさせる音楽がとても新鮮でした。

 

サマーコースのように

たっぷりと音楽に浸かることができた

リハーサルの期間は、とても幸せな時間でした。

1人で練習する時とは違う発見がたくさんあり、

ゆかさんとのリハーサル後の自分の練習は

人が変わったように効率が上がる上がる。。笑
また精進して参りたいと思います。

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秋に予定している2つの公演の準備も

スタートしております!

 

▼田坂麻木 ピアノリサイタル -for B-
2019/10/05 Sat 19:00開演
@和光大学鶴川ポプリホール

今回から新たに始まる”letter シリーズ”
第1弾は”B”から始まる作曲家と音楽を並べます。


▼高岸卓人×田坂麻木 デュオコンサート
2019/11/16 Sat 18:30開演
@成城学園前 サローネフォンタナ

ヴァイオリ二スト高岸卓人さんとの初共演!
そして作曲家 向井響さんによる新曲も
世界初演でお届け致します。


ぜひ、お楽しみに!

 

1st Students Concert

先週の日曜日に、
記念すべき第1回発表会を終えました。

 

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開講当初から、
5人生徒さんが集まったら発表会を開きたい!と
夢みていました。その夢を小さなピアニスト達が叶えてくれました。

 

2月頃から各々の好きな曲調や気になる作曲家を教えてもらい、候補をいくつか挙げて自分たちで曲選びをしてしてもらいました。

初心者の生徒さんが多く、今回の発表会が人生初の人前で演奏する体験になる子供達は、レッスンの時からドキドキワクワクしていました。

おじぎの練習をしたり、お友達の演奏をちゃんと聴くお約束をしたり、緊張したら深呼吸!を一緒に確認したり、、

 

また、今回はそれぞれの親御さんにご協力頂きデュオの部も設けさせていただきました。
普段のレッスンから連弾を積極的に取り入れていますが、発表会に向けてお母様方にご協力をお願いしたところ快諾してくださいました。ピアノ経験のある方が多い中、全くの初心者であるお母様がいらっしゃり、母娘でお互いのフォローをされたり、生徒さんがお母様に鍵盤の場所を教えていたり、、いくつもの微笑ましい光景を準備期間中にたくさん見せて頂きました。

そしてなにより、お母様方と一緒に弾かれるときの子供達の笑顔!!私には引き出すことのできないとびきりのスマイルでした。あんなに嬉しそうに弾くなんて!知りませんでした。笑

 

発表会の準備では、1曲をより深く読み解いたり、人前で弾くことをイメージしたり、緊張してわからなくなったときはどうしたらいいか、など通常のレッスンではなかなか触れる事のない細部をたくさん一緒に勉強しました。

 

そして、当日。
いつもと違う会場、大きくて長ーいピアノ、キラキラのお洋服、、、子供達は楽しいような、ちょっぴり怖いような、、。

リハーサルを終え、本番にむけて控え室に集合。
みんなで緊張をほぐす体操や、自分が弾く曲の紹介、聴きに来てくれた家族についてお話ししました。思いっきり間違えよう!上手くいかなかったと思ったら、もう一度弾こう!存分に楽しんで来てください!と伝え、みんなで円陣を組み小さな声で「えいえいおー!」をしました。

 

本番は、大大大成功です。

一人一人に大きな花マルをあげたいです。
本当によく頑張りました。
リハーサルで泣いてしまいそうなくらい緊張していたKちゃんも、はじめて人前で弾いたAちゃんも、2曲弾く!と練習に励んでくれたKくんも、毎朝登校前に練習をしているKちゃんも、緊張して上手に笑えないと心配していたMちゃんも、お母さんとのデュオが心配、、と話していたKちゃん、皆んな本番が一番上手でした!堂々としていて、音が活きていて、終演後にニッコリ笑って…。
お客様が温かな笑顔や大きな拍手で始終アットホームな雰囲気を作ってくださったことも、みんなの演奏を応援しに聴きに来てくれたRちゃんにも心から感謝しております。


今まで"私とピアノ"だけだった世界に、
小さなピアニスト達が加わり、
世界がじわじわ広がったような
暖かい気持ちになりました。

これからも、美しく面白くほろ苦く奥深い音楽の世界を、彼らの想像力を借りて一緒に冒険していきたいです!

ご協力いただいた保護者の皆様、
聴きにいらしてくださった皆様、
一生懸命がんばってくれたみんな、
ありがとうございました😊

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ピアノ教室Vleugel
田坂麻木

 

自信貯金

 

大変ご無沙汰しております。

みなさま、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

桜の花も満開になり

本帰国してから2度目の春を迎えました。

 

先週、今年度最後のレッスンが終わりました。

2018年の1月から開講し、集まってくださった小さなピアニストの皆さんはこの1年で出来る事が沢山増えました。鍵盤の場所や、楽譜の読み方、ピアノのペダルの秘密、作曲家の名前や時代背景、舞曲の種類にリズムの取り方、音楽のテクスチャーなどなど沢山のことを一緒に学び、毎週のレッスンで1つずつステップアップする姿を横で見届ける喜びをたくさん経験させて頂きました。

 

"出来ないことを出来るようにするお手伝い"はできますが、実際に"出来るようにする"のは生徒の皆さんの努力以外のなにものでもありません。自分をもっともっと褒めて自信をつけて欲しいと思います!

 

私はただただ好きという気持ちだけでピアノを続けてきましたが、自分のピアノにおける長所をよくわかっていませんでした。というより、考えたことがありませんでした。「あれができない」「これが弾けない」という欠点ばかりをかき集めて、それらを解決するのに必死で、「ここが私の魅力」と胸を張っていえるところを自分自身知らなかったのです。

自分の良さって、自分ではよくわからなくて、他人に言われて初めて気付くものの方が多い気がします。

 

私は留学中に出会った教授方や音楽院の仲間から気付かせてもらいました。自分の良さを知る事は自信につながると感じています。

 

ピアノに限らず、子供たちの世界でも大人の世界でも、傷つく事ってたくさんあります。ちょっとした事で自信が無くなったり、昨日まであった勇気が今日は湧かなかったり、誰でも臆病になってしまうことがあると思いますが、"自信貯金"をいっぱい蓄えておけばそこから自信を引き出して壁を乗り越えるエネルギーの足しになるかもしれません。

 

今年度最後のレッスンで、生徒の皆さんに皆んなの良いところを書いた修了証をお渡ししました。小さなピアニストの皆さんの自信貯金になりますように。

 

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