プログラムノート④III ショパン/ポロネーズ 第5番 op.44
みなさん、こんばんは!
リサイタルまで1週間をきりました。
プログラムノートも今回が最終回です。
ポロネーズには、
英雄・幻想・軍隊と愛称のある曲が多く、
この5番にも付いています。
英語で、
Tragic=悲劇
という意味の愛称があるのですが、
あまり日本では馴染みがないようです。
1839年から46年まで、ショパンはフランスのノアンにある恋人ジョルジュ・サンドの館で多くの時間を過ごしていました。パリの喧噪を離れ、創作活動に集中するためです。そして、1841年に完成したこのポロネーズは、ノアンで生まれた重要な作品の1つです。
ショパンはこの作品において、ポロネーズとマズルカという2つのポーランドの精神を象徴する主要な舞曲を統合するという試みに出ます。
いつだつてショパンのポーランドへの想いが絶えることはなく、この時期に友人に宛てた手紙のなかでも「ポーランドに帰れることがあるだろうか」と述べています。
左の伴奏がポロネーズのリズムを正確に刻み、
その上で右が悲痛に訴えかけるように歌い続けるポロネーズで始まり、音楽隊がどこからかやってきて目の前を過ぎまた遠くへ歩んで行くマーチを経て、望郷の念を抱きながら穏やかな日々を思い出すように優しく歌うマズルカへ。それでも現実は厳しく…。
弾いている私自身、胸に込み上げるものがあるこのドラマチックなポロネーズ。
実は卒業試験のプログラムの最後の曲でもありました。
6年間お世話になった音楽院のホールにあったピアノとのお別れの曲でもあり、新しい楽章の始まりの曲でもあり…。これまでのピアノ人生の中で掛け替えのない一曲となりました。
今日まで綴ってきた楽曲たちを
9日のリサイタルで皆様と共有できます事を
心より楽しみにしております。
田坂麻木
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