お腹の中のちょうちょ

ピアニスト田坂麻木の音楽と関係あったりなかったりな日々の記録

【op.Yellow】④ドビュッシーの音楽

今回の音のパレットを「黄色」に決めたとき、漠然とドビュッシーが頭に浮かびました。


巷の印象派の音楽会のポスターや、ドビュッシーが作曲する際に参考にした絵画の印象などから、なんとなく黄色のイメージが刷り込まれているような気がしていましたが、今回プログラムを組むために聴いたドビュッシーの音楽は私にとって黄色そのものでした。


きらきら澄んだ黄色、目が眩むよな鮮やかな黄色、そして湿り気を帯びた霞がかった黄色…。

それらの黄色を含んでいるのがドビュッシーでした。どれもが造られた色ではなく、自然界や人の感情から浮かび上がる黄色のように私には感じます。


もともと内気な性格だったと言われるドビュッシーの音楽は、内向的で内包的で大きなものを抱えているけれど、声を大にして叫び訴えるようなタイプではありません。

ただ、人間関係に奔放だった噂を信じると、「喜びの島」では、本当に悦んでいる姿が手にとるように感じられます。


ゴッホのひまわりの絵のように、黄色といえど、茶色を帯びていたり、灰色と混ざっていたり(=亜麻色)、光にかざすと消えてしまうような薄かったり、いくつもの黄色の花弁が重なり合ってできるような音楽だと感じました。


そんなドビュッシーの音楽からは、どこかで耳にしたことのある3曲をお届けします。

アラビア風の模様(唐草模様)を模した「アラベスク1番」、ドビュッシーが心を奪われた絶世の美女ガブリエルをモデルとして作曲されたとする「亜麻色の髪の乙女」、そして不徳の愛に喜び狂う「喜びの島」。


それぞれの黄色の色合いをお愉しみください。

 

 

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田坂麻木
ピアノリサイタル
音のパレットVol.3
Opus.Yellow

 

○日時/会場

2021/06/20(日)
14:30開演(14:00開場)
和光大学ポプリホール鶴川
ドレスコード:黄色*

ホールは外気との換気システムがあり、皆様にはマスク着用・アルコール消毒・ソーシャルディスタンス等のお願いをしながら、感染予防対策を徹底して参ります。

*ドレスコードの黄色につきましては、お洋服だけでなくアクセサリー、バッグ、マニキュア、靴などでも大丈夫です🙆‍♀️ またお楽しみの一つとして設けておりますので、新たにご用意頂く必要もございませんので、どうか無理のない範囲でお楽しみいただければ幸いです☺️🤲

 

 

○チケットについて
一般:3000円
学生:1500円※高校生以下

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/025w530ednm11.html

※東京都がロックダウン等によりリサイタルが中止になりました場合は、チケット代金全額を返金させて頂きます。

 

 

 

 

【op.Yellow】③R.シューマン/ピアノソナタ第2番 ト短調 op.22

今日はシューマン ピアノソナタ第2番です。


このソナタ

雷のような和音から轟く1楽章、

秋にという歌曲からメロディを得た2楽章、

極めて早い3楽章、

プレスト(=急速に)という指示の4楽章、

と全4楽章から成り立ちます。

 


コロコロ変わる音楽性で有名なシューマンの楽曲からみると、こちらは"シューマンらしくない"と言われるソナタで、古典的でコンパクトなまとめ方をしています。


が、


1楽章には「できるだけ早く」と冒頭に記されているにも関わらず、最後の方では「もっと急速に」「さらに急速に」とまるで演奏者を煽るような指示を出し、駆り立てる音楽に拍車をかけてみたり、

全楽章通して、ピアニストとして名声をあげようと躍起になった挙句トレーニング器具で手を故障してから失墜のドン底になるものの、愛すべき人をどうにか自分のものにしたいという渇望が現れるシンコペーションの多用……と、十二分にシューマン本人の精神性は反映されているのではないでしょうか。

 


ドラマチックで、胸が苦しく成るような場面がたくさん出てきます。

 


楽器を弾くことの醍醐味の一つとして、同じ曲を歳を重ねる度に違う楽しみ方ができることだと思っているのですが、このシューマンソナタは私にとってまさにそれに当てはまる曲です。

 


初めて出会った高校生から、大学生、そして今…同じ曲なのに聴こえてくる音・見えてくるものが徐々に変化してきました。

 


今の私の等身大の演奏が、どうか届きますように。

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田坂麻木
ピアノリサイタル
音のパレットVol.3
Opus.Yellow

 

○日時/会場

2021/06/20(日)
14:30開演(14:00開場)
和光大学ポプリホール鶴川
ドレスコード:黄色*

ホールは外気との換気システムがあり、皆様にはマスク着用・アルコール消毒・ソーシャルディスタンス等のお願いをしながら、感染予防対策を徹底して参ります。

*ドレスコードの黄色につきましては、お洋服だけでなくアクセサリー、バッグ、マニキュア、靴などでも大丈夫です🙆‍♀️ またお楽しみの一つとして設けておりますので、新たにご用意頂く必要もございませんので、どうか無理のない範囲でお楽しみいただければ幸いです☺️🤲

 

 

○チケットについて
一般:3000円
学生:1500円※高校生以下

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/025w530ednm11.html

※東京都がロックダウン等によりリサイタルが中止になりました場合は、チケット代金全額を返金させて頂きます。

 

 

【Op.Yellow】②3匹の蝶々

今回で3回目となる【音のパレットシリーズ】。

これまでは感情や形のない物に色を当てはめることが多かったのですが、今回はじめての生き物の登場です!


〜ひらひら舞う蝶…💫〜

タイトルや愛称で名付けられる蝶々たちにはどんな意味があるのか、"蝶々"と呼ばれる3曲を並べました。


①E.グリーグ 蝶々 ー抒情小品集 第3集  Op.43-1

ノルウェーの作曲家であるグリーグが思い描く蝶は、花から花へ自由自在に飛び回ります。ヒラヒラと羽を重ね合わせ、鱗粉がちらちらと舞うように白鍵と黒鍵を交互に行き交う半音階がたくさん現れます。

 

②F.ショパン 蝶々 ー練習曲op.25-9

ショパンは自分の曲にタイトルを付けることをあまり好まなかったので、こちらは愛称で「蝶々」と名付けられています。グリーグの自然の中でヒラヒラ舞う蝶とは打って変わり、こちらは可愛らしい蝶が陽気に飛んでいるようです。手を広げて弾くオクターブと、鍵盤の上をあちらこちらに跳んでいく動きとが組み合わさり、弾いている手の動きが蝶のようにも感じます。


③R.シューマン パピヨン ーop.2

こちらはタイトルに「パピヨン(=蝶々)」とシューマン本人が付けていますが、前述2曲のように蝶を模倣したり、動きから蝶を連想したり…という蝶そのものとは直接の関わりはありません。

では何かというと…

シューマンは子供のころから文学に強い関心があり、その中でも、ドイツの幻想詩人ジャン・パウル・リヒターに強くあこがれていました。「パピヨン」は、そんな彼の小説『生意気ざかり』からインスピレーションをうけて作られました。

タイトルとなっている「パピヨン(蝶々)」は、ジャン・パウルの文学の中で、ロマン的な詩的理念の象徴としてよく現れます。


12曲の小品からなるシューマンパピヨンは、

夢想家ヴァルトと情熱家ヴルトの双子兄弟が同じ女性に恋をして、仮面舞踏会で彼女がどちらを選ぶかという物語になっています。


そして、1つ1つ、シューマン自身が付けた標題があります。出版する最終段階でその標題は削除することになったのですが、第1曲から順に,1.仮面舞踏会,2.ヴァルト,3.ヴルト,4.仮面,5.ヴィーナス, 6.ヴルトの踊り,7.仮面の交換,8.告白,9.怒り,10.仮面をぬぐ,11.大急ぎ,12.情景と帰り行く兄弟, というタイトルが付けられる予定でした。


ころころと劇的に変化する音楽は、当時の聴衆には中々受け入れ難く非難されることもありましたが、シューマンがピアニストとしての活動を始めた直後に作られたこの作品には、軽やかさやキラメキがふんだんに込められています☺️

 

3匹の蝶の舞をお楽しみください🌱

 

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田坂麻木
ピアノリサイタル
音のパレットVol.3
Opus.Yellow

 

○日時/会場

2021/06/20(日)
14:30開演(14:00開場)
和光大学ポプリホール鶴川
ドレスコード:黄色

ホールは外気との換気システムがあり、皆様にはマスク着用・アルコール消毒・ソーシャルディスタンス等のお願いをしながら、感染予防対策を徹底して参ります。

 

○チケットについて
一般:3000円
学生:1500円※高校生以下

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/025w530ednm11.html

※東京都がロックダウン等によりリサイタルが中止になりました場合は、チケット代金全額を返金させて頂きます。

 

 

【Op.Yellow】①W.A.モーツァルト/きらきら星変奏曲

 

みなさまお変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか🌿

 

東京都の緊急事態宣言が6月20日まで延長になりましたが、会場施設の宣言下ガイドラインの入場者数の制限等対策に基づき、開催を予定しております

皆様にお会いできることを心より楽しみにお待ちしております☺️

 

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さて、毎回恒例のプログラムノートを全5回に渡って更新していきたいと思います☺︎ 当日お配りするプログラムには入りきらない曲目解説やこぼれ話などを記していきたいと思います☺️

 

①W.A.モーツァルト きらきら星変奏曲

ーフランスの歌曲「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲ー

 

みなさんご存知のきらきら星のメロディー、もとはフランスで流行していた「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」 ("Ah! vous dirai-je, maman") という恋の歌でした。


キャッチーなメロディが耳に馴染みやすく、シャンソンとして歌われていた当時から人気を博しましたが、イギリスの詩人、ジェーン・テイラーが"The Star" による替え歌"Twinkle, twinkle, little star"(きらめく小さなお星様)が童謡として世界的に広まることになり、さまざまな言語に翻訳され、世界中で愛される歌になりました。これは1806年のことです。

 

モーツァルトがこの変奏曲を作曲したのは1778年。恋の歌がきらきら星に変身する前の事でした。

 

モーツァルトが生きていた時代のピアニストは、即興演奏に長けていることが必要とされていました。その場で与えられた音楽を即座に飾り付け、発展させる…。瞬間に生まれる芸術に大きな意味がありました。そしてモーツァルトは即興の名手でした。その場で生まれた新鮮な音たちを、なるべく遊びごごろを失わずに楽譜に閉じ込めることができるのが、彼にとって変奏曲だったのではないでしょうか。

現に、モーツァルトはたくさんの変奏曲を書いており、そのどれもが鍵盤の上を楽しく遊んでいる様に感じられるのです☺️

 

恋のきらきらと、お星様のきらきら、そしてモーツァルトの遊びごごろを楽しんでいただけたら嬉しいです☺️

 

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田坂麻木
ピアノリサイタル
音のパレットVol.3
Opus.Yellow

 

○日時/会場

2021/06/20(日)
14:30開演(14:00開場)
和光大学ポプリホール鶴川
ドレスコード:黄色

ホールは外気との換気システムがあり、皆様にはマスク着用・アルコール消毒・ソーシャルディスタンス等のお願いをしながら、感染予防対策を徹底して参ります。

 

○チケットについて
一般:3000円
学生:1500円※高校生以下

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/025w530ednm11.html

※東京都がロックダウン等によりリサイタルが中止になりました場合は、チケット代金全額を返金させて頂きます。

 

【演奏会のお知らせ】


大変ご無沙汰しております。

皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか🌷

 


昨年秋に中止となったリサイタルを6月に開催する事なりました。外出が難しい世の中ではありますが、爽やかな初夏のひとときを同じ空間で過ごす事が出来ましたら幸いです!


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予定していた演奏会が延期・中止になったり、観客数の規定が厳しくなり半分から無観客になったり…。昨年は未曾有の事態に、世界中が試行錯誤し、濃霧をかき分けながら、もがき歩いていたように思います。目に見えないものとたたかう難しさは未だに払拭できませんが、締め切った部屋の窓を開け、気持ちのいい風が肌を伝い、新緑に目を癒し、子供たちの笑い声が聞こえ、お気に入りのコーヒーを飲む……そんなちょっとした幸せがあったことを思い出しながら、今私にできることを考えました。

 


自粛生活が始まってから、人とのコミュニケーションにもパーティションができてしまったように思っていましたが、「生の音楽にずーっと飢えているの!早く聴きたい!」と常連様や友人達から温かいお言葉を頂戴し、娯楽は不要不急か、という問いに後退りする背中を強く押し返して頂きました。お気持ち、本当に嬉しかったです。


久しぶりの初夏の公演。予定していた秋のプログラムを一新し、悶々とした日々の気持ちを吹き飛ばしてくれるような爽やかな音楽を集めました。

会場で皆様とお会いできることを、心より楽しみにしております!

 

 

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田坂麻木
ピアノリサイタル
音のパレットVol.3
Opus.Yellow

○日時/会場

2021/06/20(日)
14:30開演(14:00開場)
和光大学ポプリホール鶴川
ドレスコード:黄色

ホールは外気との換気システムがあり、皆様にはマスク着用・アルコール消毒・ソーシャルディスタンス等のお願いをしながら、感染予防対策を徹底して参ります。

 

 

○チケットについて
一般:3000円
学生:1500円※高校生以下

チケット販売は5月22日(土)9:00より販売させて頂く予定でおります。また、ホールのあります東京都がロックダウン等によりリサイタルが中止になりました場合は、チケット代金全額を返金させて頂きます。

 

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【留学備忘録:オリエンテーションとグループレッスン】

大変ご無沙汰しております🤲


6年半の留学生活を振り返るには

膨大な時間と記事が必要になる事に気が付き……

小休止を挟みながら更新させて頂きたいと思います。お付き合い頂けましたら嬉しいです🌱

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授業が始まる!その前にオリエンテーションが行われました。当日の予定は事前に渡されるのですが、

何もわからない私にとってはそれはそれは不安でしかない1日。まず集合場所もよくわからず、予定表の見方もわからず、とりあえず音楽院へ…。


音楽院の扉をくぐり抜けいざ…!と気負うも束の間、そこには試験で出会ったインドネシアの女の子(Iちゃん)がいました。すぐに私を見つけてくれ同郷の友人2人に加え、ポーランド オランダ、シンガポール、先程知り合ったトルコ人の友達まで紹介してくれました。Iちゃんの短期間でのコミュニケーション能力には驚かせられました🙄

この友人達は留学時代を語る上で欠かせない存在となり、帰国した今でも連絡を取り合う大事な仲間たちです。


みんなで会場のホールに行き、校長先生のお話を聞き、在校生の演奏を聴き、どこの国のものかもわからない言語が客席で飛び交う中、いよいよ学生生活が始まりました📚✍️

 

ピアノ科のグループレッスンがあるからみんなで聴講しよう!という話になりました。

グループレッスンとは師事する先生とは違う先生に教えて頂ける公開レッスンのこと。聴講は、1年生から4年生、卒業生、そして先生のファンの方々、ピアノ科以外の学内の生徒…誰でも可能でした。

入学してからIちゃん以外のピアノ科の生徒に出会う機会がなかったので、同期も含めて先輩たちにも会えるのだとドキドキしていました。ワクワクより、とにかく不安でドキドキドキドキ…

 


グループレッスンは夜の19時から音楽院のスタジオで行われました🌙予定の時間に近づくとスタジオに次々と学生が集まり始め、Iちゃんに言われるがまま付いていくと、そこには男の子3人がいました。『私たちみんな同期よ!』と紹介されたのがオランダ出身のR、オランダ育ちインドネシア出身のP、そしてスウェーデン出身のS。心臓がバクバクするのを感じながら、なんとか自己紹介をし、PとSが同門であることを知りました。

 


グループレッスンは和気藹々としていて、みんな家族のようなでした。ピリピリした雰囲気を想像していたので、驚きました。

 


聴講は英語がわからなくとも、演奏の変化や先生が弾かれる短いパッセージだけでもお腹いっぱいになってしまうくらい楽しくて、これからのレッスンに胸を膨らませました…が、入学してから長い事私の頭を占めていた"英語ができない"という不安が溢れてしまったのもこの日でした。

 


同期と仲良くなりたい、でも英語が話せない、みんなと家族のようになりたい、でもこんなに見つめ合いながら話なんてできない!!!!そんな私を他所目に、Sが見てくる見てくる。すっごく見てくるのです。今思えばただのコミュニケーションの一環なのですが、私には「英語話せないの?」って思われてるのかも…絶対そう……話せない…仲良くなれない…恥ずかしい……その場を繕い、帰宅後不安が溢れて大号泣しました。笑

泣くことなんて一つもないのに!

Sだって、何もしていないのに!笑 

このエピソードを本人に伝えることができたのはそれから3年後のことでした🥲 

 

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📷:グループレッスンが行われる前の記念写真(同期と先輩と)

 


ドキドキワクワク、時にはちょっぴりほろ苦い、

大切な6年半の留学生活。次回は授業編!

【留学備忘録: 試験の日に見かけた女の子】

入試は、事前に送られてきたメールに記載されていたスケジュール通り、音楽院の6階にある部屋で行われました。


扉に貼られた試験順を元に、自分の番まで各々の過ごし方で待機をします。ウォーミングアップ用に用意されていた部屋は一つのみ。1人〇〇分と与えられているわけではなく、自分で他の受験生と交渉をします、ということを事前に知る由もなく……😖


試験日は嵐のような1日でした。試験会場がわからずレセプションで聞いても「知らない」の一点張り、音楽院中を歩き回ってそれらしき部屋を探して安堵するのも束の間、試験の受験リストに自分の名前がなく!恐る恐る部屋の扉を開けて名前がない事を審査員の先生方に伝えリストに書き加えて頂き、さあウォーミングアップをして気分を落ち着かせようと思ったら古いアップライトが置いてあるだけの部屋に鎮座する他受験生!拙い英語で練習させてと懇願し、、、😵


試験を受ける前に既にヘトヘトでしたが、

ピアノさえあればどうにか意思疎通できる!と思えたので、嫌な緊張は知らぬ間に解れていたかもしれません。

 


無事に試験を終え、帰ろうとした私の横を、

ピンク色のスパンコールのドレスを着た女の子が泣きながら走っていきました。

ピアノの試験があった部屋のすぐ横だったので、同じ受験生だったことはわかりましたが、

聞いたことのない言葉を友人らしき子と泣きじゃくりながら話し、一体どんなドラマが繰り広げられていたんだろう……と思い会場を後にしました。

 

f:id:tasakamaki:20201126204547j:image

《音楽院の教室がが並ぶ廊下》

 

 

そしてあれから3ヶ月が過ぎ、、、

音楽院授業開始前日。

生徒一人一人に充てられるメールボックスを確認しに学校へ行くと、「もしかして、ピアノ科を受けていた?」と声をかけられました。声の方をみると、そこにはあのスパンコールの女の子が!

 


彼女も受験に合格し、9月から同じピアノ科の同期として勉強することになったこと、インドネシア出身だということ、試験の日は緊張から涙が止まらなかった事を話してくれました。


たった5人のピアノ科同期中唯一の女の子である彼女とは、卒業した今も交流のある長ーい付き合いになるのです☺️

 

さて、次回からいよいよ音楽院生活の始まりです!