お腹の中のちょうちょ

ピアニスト田坂麻木の音楽と関係あったりなかったりな日々の記録

【Op.BLACK 】幻想曲とシャコンヌ

Op.BLACKプログラムノート最終回では、2曲のバッハについてご紹介します。 ○『ファンタジー ハ短調 BWV 906』 幻想=ファンタジーという言葉は、今となっては「現実からかけ離れた空想の世界」を指しますが、もとは「思い描いて示すことができる」といったギ…

【Op.BLACK】悲愴ソナタ

○L.ベートーヴェン ピアノソナタ 第8番「悲愴」 オランダへの留学が決まり、一番最初に恩師から課題として提案された曲がベートーヴェンのピアノソナタ 「悲愴」でした。 恩師はベートーヴェンを敬愛しており、"本来の美しさ"をどこまでも追求されていました…

【Op.BLACK】前奏曲とバラード

今回はショパンが恋人ジョルジュと共に過ごしたマヨルカ島で、同時期に作曲された2曲についてご紹介します。 ○前奏曲 op.28 ショパンの前奏曲op.28は、 ①白鍵7つ(ドレミファソラシ)+黒鍵5つ=12種類 ②それぞれの明るい調(長調)+暗い調(短調) 12+12=24曲の前奏…

【Op.BLACK】2つのワルツ

今回のOp.BLACKには、-黒の宴-という副題が私の中にあります。 黒の持つマイナスなイメージだけでなく、遊び心や妖艶さを放つ音楽をプログラムに取り入れました。宴を彩る2曲のワルツをご紹介します ○No.1 op.18 in 変ホ長調 演奏会で取り上げる事は多くはな…

【Op.BLACK】3つのエチュード

皆様、こんにちは。 大変ご無沙汰しておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。 昨年の6月以来のリサイタルに向けて、私は、皆様にお会いできることを楽しみに、練習の日々を過ごしております。昨年に引き続き色をテーマにした…

【Opus.Yellow】終演致しました!

6/20(日)@和光大学ポプリホール鶴川 -Opus.Yellow- お陰様で無事に終演致しました 今回はコロナ禍での開催でしたので、開催告知の際は正直なところお客様からの反応が怖かったです。不要不急と思われてしまう事、毎日更新される感染者数、まん防発令、緊急事…

【op.Yellow】⑤ファウストとメフィスト

さあ、今回でopus.Yellowに向けたプログラムノートは最終回になります✍️✨ 演奏会最後を飾るのは、リストのメフィストワルツです。 この曲を初めて聴いた時のことを今でも覚えています。乱暴にヴァイオリンをかき鳴らすような音から始まったかと思うと一気に…

【op.Yellow】④ドビュッシーの音楽

今回の音のパレットを「黄色」に決めたとき、漠然とドビュッシーが頭に浮かびました。 巷の印象派の音楽会のポスターや、ドビュッシーが作曲する際に参考にした絵画の印象などから、なんとなく黄色のイメージが刷り込まれているような気がしていましたが、今…

【op.Yellow】③R.シューマン/ピアノソナタ第2番 ト短調 op.22

今日はシューマン ピアノソナタ第2番です。 このソナタは 雷のような和音から轟く1楽章、 秋にという歌曲からメロディを得た2楽章、 極めて早い3楽章、 プレスト(=急速に)という指示の4楽章、 と全4楽章から成り立ちます。 コロコロ変わる音楽性で有名なシュ…

【Op.Yellow】②3匹の蝶々

今回で3回目となる【音のパレットシリーズ】。 これまでは感情や形のない物に色を当てはめることが多かったのですが、今回はじめての生き物の登場です! 〜ひらひら舞う蝶…〜 タイトルや愛称で名付けられる蝶々たちにはどんな意味があるのか、"蝶々"と呼ばれ…

【Op.Yellow】①W.A.モーツァルト/きらきら星変奏曲

みなさまお変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか 東京都の緊急事態宣言が6月20日まで延長になりましたが、会場施設の宣言下ガイドラインの入場者数の制限等対策に基づき、開催を予定しております 皆様にお会いできることを心より楽しみにお待ち…

【演奏会のお知らせ】

大変ご無沙汰しております。 皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか🌷 昨年秋に中止となったリサイタルを6月に開催する事なりました。外出が難しい世の中ではありますが、爽やかな初夏のひとときを同じ空間で過ごす事が出来ましたら幸いです! ----📒✍️-- 予定…

【留学備忘録:オリエンテーションとグループレッスン】

大変ご無沙汰しております 6年半の留学生活を振り返るには 膨大な時間と記事が必要になる事に気が付き…… 小休止を挟みながら更新させて頂きたいと思います。お付き合い頂けましたら嬉しいです -- 授業が始まる!その前にオリエンテーションが行われました。…

【留学備忘録: 試験の日に見かけた女の子】

入試は、事前に送られてきたメールに記載されていたスケジュール通り、音楽院の6階にある部屋で行われました。 扉に貼られた試験順を元に、自分の番まで各々の過ごし方で待機をします。ウォーミングアップ用に用意されていた部屋は一つのみ。1人〇〇分と与え…

【留学備忘録:はじめまして】

オランダに無事到着し 7つの段ボールに 大きなリュックを抱えて オランダの両親が待つ入国ゲートへ、 よく来たわね〜! と迎えてくれたオランダの両親の車に 自分たちの荷物を乗せ 私と1ヶ月付き添いで来てくれた母は 電車で入居する家のあるハーグへ。 前回…

【留学備忘録:いざ!】

地元の駅で幼馴染み達と別れ、バスは成田空港に到着しました。 そしてそこでは高校の友人達が待っていてくれました。一緒に食事をし、他愛無い話をして、いよいよ出国の時。 ゲートをくぐると、涙が止まりませんでした。 留学は憧れで、夢で、やっと目標に近…

【留学備忘録:いよいよ出発!】

留学を決意してから とにかく練習に次ぐ練習の日々。 その傍らで、入試受験資格として課されている英語のテスト受験準備のためのスクールに通い、入試用の提出課題、提出書類、住居の準備、ビザ取得準備、そしていつも通り高校に通っていました。 ビザについ…

【留学備忘録:はじまりのはじまり[終]】

そこで出会った日本人女性はなんとピアノ科に在籍していらしてなんと今年度で卒業予定でなんと帰国予定でなんと言っても借りているお家を受け渡す相手と所有しているピアノの買い手をさがしているという、、、絶妙なタイミングで出会ってしまったのです、、…

【留学備忘録:はじまりのはじまり④】

私が想像していたヨーロッパの音楽院とはまるで違った外見に「………え?」と戸惑いながらも、いざ構内へ! 二つの自動ドアを潜り抜けると、少し暗がりのエントランスが広がり、そこには沢山の学生が行き交い、さまざまな異国の言葉が聞こえてきました。 まるで…

【留学備忘録:はじまりのはじまり3】

【留学備忘録:はじまりのはじまり3】 さて。 今回の旅の目的は音大探し。 …ではなく、 オランダ在住の母の友人との15年ぶりの再会でした。 志望大学を幼い頃に漠然と決めていた私は、あまり留学について考えたことはありませんでした 今回は母の旅行について…

【留学備忘録:はじまりのはじまり2】

この時初めて知ったB&B(breakfast&bed)というものに泊まりました。 急な階段を重いスーツケースを抱えて上り、 小さなキッチンがついた可愛らしいお部屋が はじめてのヨーロッパ滞在の拠点となりました。 大きな教会のすぐ前にあるそのB&Bでは、時計の長針が…

【Vleugel通信】2019年度修了

今年度の最終レッスンが無事終了しました。 2019年度は、初めての発表会を開催できたことが1番の思い出です。 人前でピアノを弾くことが初めてだった生徒さんも数多く、いつもとは違う空気の中、本当によく頑張ってくれました。 みんなで控え室で円陣を組ん…

【留学備忘録:はじまりのはじまり】

留学から帰国して2年半。 初めてオランダに訪れたのがもう10年も前。 備忘録として、少しずつ留学の思い出を記していこうと思います。 音楽院に入学する少し前の、 初めてオランダに降り立った日。 ---✍️ はじめてオランダに行ったのは高校2年生の秋。 私自…

【Vleugel通信】発表会の曲決め

こんにちは。世間では新型感染症の流行に伴い、休校や短縮業務の施行、マスクに除菌グッズにトイレットペーパーの買い占め、車内での咳エチケットの厳格化… 目に見えないものへの恐怖心から、殺伐とした雰囲気が感じられることもあれば、「困っちゃいますね…

【Vleugel通信】ホームページ

お天気の良い日が続いておりますが、 頬を伝う風は冷たいですね。 この度、主宰している音楽教室のホームページを開設致しました。 コースの細分化、教室理念、そして当教室の小さなピアニストの皆さんが掲載されておりますので、是非見て頂きたいです✍️ htt…

【ピアノ教室Vleugel 】3年目を迎えました!

皆さま、もうすぐ小正月を迎える時期になってしまいましたが、改めまして、、、 明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い致します 今年の抱負は、 とにかくたくさんの音楽に触れ 自由な感想・発想をアウトプットして 演奏に還せるよう…

2019年

今年は"初めて"が盛りだくさんの1年でした。 4月から大学でのお仕事が始まり、 6月はお教室初めての発表会で、生徒さんたちの輝く姿を間近で見届けることができ、 7月には2回目の佐藤友香さんとのデュオで新たな楽曲達と出会い、 10月はソロリサイタルで新シ…

【for B】終演致しました!

こんばんは☺️ 今回から始めましたレターシリーズ"for B"では、初めてのバレエ音楽に挑戦し、ドイツ3大Bの作曲家の作品をご紹介させて頂きました。 4歳から88歳までの幅広い年齢の方々に応援していただき、無事終えることができました。いらして下さった皆様…

【for B】⑤Moon light Sonata/ピアノソナタ 月光

For Bプログラムノート最終回の今回は どこかで一度は耳にしたことがある、 《ベートーヴェンの月光》について。 静かな湖の水面にくっきりと映った触れる事のない月の光が、心の奥底を照らすように、粛々と音楽が進んでいます。 高校生の頃、音楽の授業で観…

【for B】④Rhapsody No.2/ラプソディー2番

今日はブラームスが作曲した2つのラプソディーop79/2について… 1877年から1879年にかけて、ブラームスは夏の間、オーストリア南部のケルンテン州にあるペルチャッハという町で過ごしました。 この町はアルプスの山々に囲まれ、ケルンテン州最大の湖、ヴェル…