お腹の中のちょうちょ

ピアニスト田坂麻木の音楽と関係あったりなかったりな日々の記録

プログラムノート③-プロコフィエフ/ピアノソナタ第3番

 

こんばんは!

近所の銀杏並木もすっかり黄色に染まり、日増しに寒さが身にしみるようになりました。みなさん、いかがお過ごしでしようか。

 

第3回目のプログラムノートは、

プロコフィエフピアノソナタ3番です。

 

私が個人的に好きな作曲家の1人です。

 

ロシア帝国時代のウクライナ出身のプロコフィエフはピアニストであった母から手ほどきを受け、5歳で作曲をはじめ、10歳で交響曲を書いてしまう天才児。

1904年13歳でロシアの名門、サンクトペテルブルク音楽院に入学しますが、彼にとって音楽院の授業は退屈なものばかり。しかし音楽院で優秀な仲間たちに恵まれ、たくさんの刺激を受け、彼の作曲に大きな影響を与えることとなります。

 

1907年にこのピアノソナタ第3番は練習で書かれました。

ん?

ということは、

16歳で書いたということ…ですよね?

10年後に改作したとはいえ、

本人曰く

『展開部と再現部はちょっと変えたけど、

全体像はそんな変えてないよ〜』とのこと。

恐るべし。

 

ちなみに展開部はハンバーガーでいうところの具のところ。再現部は下のバンズ、上のバンズは提示部といったところでしょうか。

 

エネルギッシュなオープニングで始まり、

そこから止まる事なく音楽が流れていくこのソナタ

プロコらしい打楽器的なピアノの使い方や、

和声、音の並び(まあ暗譜が難しい!)、

リズムで成る第一主題(上のバンズ①)に対し、

どこか切なく、懐かしい第2主題(上のバンズ②)が

左の半音の伴奏で支えられながら美しく歌います。

 

このソナタイ短調(ラから始まる暗い調)とされていますが、中身を覗くとたくさんの調で溢れています。そもそも曲の一番最初の和音はホ長調(ミから始まる明るい調)です。

 

 

ハイドン同様、

あまり知名度は高くないプロコフィエフ

ですが、一番聞くとハマってしまう彼の音楽。

ロミオとジュリエット、シンデレラなどの

バレエのロマンティックな曲もたくさん書いています。

ぜひ一度チェックしてみて下さい!

 

 

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田坂麻木 帰国記念リサイタル

2017年12月9日(土)

18時30分開演(18時開場)

古賀政男音楽博物館内けやきホール

チケットはこちらから:http://bit.ly/2euA7Gg

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