【Op.BLACK】3つのエチュード
皆様、こんにちは。
大変ご無沙汰しておりますが、
皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
昨年の6月以来のリサイタルに向けて、私は、皆様にお会いできることを楽しみに、練習の日々を過ごしております。
昨年に引き続き色をテーマにした「音のパレットシリーズ」です。
今回のテーマカラーは《黒》です。
5週にわたって、当日のプログラムには書ききれないそれぞれの曲目について更新していきたいと思います。リサイタルにいらしてくださるご予定の方には是非、そうでない方にも是非、読んでいただけたら嬉しいです☺️
また、早々にチケットをご用意いただいている皆様、ありがとうございます。会場でお会いできることを楽しみにしております!
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今回《黒》をテーマカラーにするにあたり、絶対プログラムに入れたい!と思っていたのが、ショパンの練習曲3曲でした。
ショパンの練習曲集はop10•25の2冊あります。
練習曲集Op.10 は、当時最高のピアニストとして敬意を表し、リストに献呈されました。この献呈はおそらく、一世を風靡したヴィルトゥオーゾ(超絶技巧の持ち主)からの賞賛を狙ったものとされ、実際にリストは惜しみない賛辞を贈ったと言われています。
Op.25はop.10の練習曲集から5年後の1835~37年にかけて作曲されました。
1837年にライプツィヒ、パリ、ロンドンにて出版され、マリー・ダグー伯爵夫人に献呈。
元々この練習曲集は教育用という名目のもと作曲されました。しかし、こうして現代まで演奏会で取り扱われるということは、それまでの練習曲にはない高度な音楽が、ただの課題学習としての練習曲の範疇を超えた、と言えるのだと思います。いいえ、言えるのです!!
『黒鍵』op10-5 ▷黒鍵での三連符
その愛称の通り黒鍵を多用する曲です。ショパンは、本作品でそれまで規則的に禁止されていた親指での黒鍵演奏を認めて、革新的な指使いを編み出しました。従来の"練習曲"とは比べ物にならない"音楽"がそこにあります。
私が初めて黒鍵に出会ったのは中学1年生のとき、当時新しい先生に師事したばかりでした。
指の使い方の基礎を1から教えて頂き、鍵盤では無く、専用の指を鍛えるトレーニングボードや計り器の上で指を鍛える日々が始まりました。
黒鍵のエチュードを弾いている時は、まるで平均台の上を軽やかに飛び回わる新体操選手のような気分です。
『革命』op.10-12 ▷右手のオクターブと左手の16分音符のパッセージワーク
「革命」という通称はリストにより広められました。1830年12月にロシア軍がワルシャワに攻め入ったことを知ったショパンが、失意と怒りに突き動かされて作曲したと言われています。
およそ200年も前に作られた曲を、今もその苦しみに直面している方々がいると思うと、練習していても胸が張り裂けそうになります。
落雷のような和音が鳴り響き、短調の嵐が音楽を席巻していきますが、最後は長和音で決然と終わります。
未来への希望を祈って選曲しました。
『大洋』op.25-12 ▷両手のアルペジオ
ピアノ学習者であれば一度は通る学習教材ハノン。
(指の運動の為に使います。学習している当時はなんっっっっっってつまらない!!!!!!と嘆いていましたが、今ではウォーミングアップに使える良い教材です。)
そんなハノンで学ぶ分散和音(アルペジオ)。
ド⇄ミ⇄ソ⇄ド⇄ミ⇄ソ⇄ド…と順に右に左に弾いていくのですが、シンプルなようで難しく、また単調なため練習している時はthe忍耐なのです。
が、このショパンの大洋に出会った時は衝撃を覚えました!あの地味なハノンはここで昇華されるためにやっていたんだ……!と。
荒れる大海原を旅しているようなドラマチックな音楽です。皆様にも、右に左に荒波を掻き分け荒波を一緒に航海して頂けたらと思います。
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音のパレット vol.4
♟Op.BLACK ♟
○日時
2022年10月16日(日)
14:00開場 /14:30開演
○会場
和光大学ポプリホール鶴川
〒195-0053 東京都町田市能ヶ谷1丁目2−1
○ドレス コード
黒🎩
○プログラム(予定)
and more…🖊🖤
○チケット
一般: ¥3000
under 20: ¥1500
※未就学児不可
▼チケットサイト🎫▼
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/021dfj52hjd21.html
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皆さまの黒の装いと黒い音楽が織りなす秋の時間を、楽しみにしております🎓
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