お腹の中のちょうちょ

ピアニスト田坂麻木の音楽と関係あったりなかったりな日々の記録

【Op.Yellow】②3匹の蝶々

今回で3回目となる【音のパレットシリーズ】。

これまでは感情や形のない物に色を当てはめることが多かったのですが、今回はじめての生き物の登場です!


〜ひらひら舞う蝶…💫〜

タイトルや愛称で名付けられる蝶々たちにはどんな意味があるのか、"蝶々"と呼ばれる3曲を並べました。


①E.グリーグ 蝶々 ー抒情小品集 第3集  Op.43-1

ノルウェーの作曲家であるグリーグが思い描く蝶は、花から花へ自由自在に飛び回ります。ヒラヒラと羽を重ね合わせ、鱗粉がちらちらと舞うように白鍵と黒鍵を交互に行き交う半音階がたくさん現れます。

 

②F.ショパン 蝶々 ー練習曲op.25-9

ショパンは自分の曲にタイトルを付けることをあまり好まなかったので、こちらは愛称で「蝶々」と名付けられています。グリーグの自然の中でヒラヒラ舞う蝶とは打って変わり、こちらは可愛らしい蝶が陽気に飛んでいるようです。手を広げて弾くオクターブと、鍵盤の上をあちらこちらに跳んでいく動きとが組み合わさり、弾いている手の動きが蝶のようにも感じます。


③R.シューマン パピヨン ーop.2

こちらはタイトルに「パピヨン(=蝶々)」とシューマン本人が付けていますが、前述2曲のように蝶を模倣したり、動きから蝶を連想したり…という蝶そのものとは直接の関わりはありません。

では何かというと…

シューマンは子供のころから文学に強い関心があり、その中でも、ドイツの幻想詩人ジャン・パウル・リヒターに強くあこがれていました。「パピヨン」は、そんな彼の小説『生意気ざかり』からインスピレーションをうけて作られました。

タイトルとなっている「パピヨン(蝶々)」は、ジャン・パウルの文学の中で、ロマン的な詩的理念の象徴としてよく現れます。


12曲の小品からなるシューマンパピヨンは、

夢想家ヴァルトと情熱家ヴルトの双子兄弟が同じ女性に恋をして、仮面舞踏会で彼女がどちらを選ぶかという物語になっています。


そして、1つ1つ、シューマン自身が付けた標題があります。出版する最終段階でその標題は削除することになったのですが、第1曲から順に,1.仮面舞踏会,2.ヴァルト,3.ヴルト,4.仮面,5.ヴィーナス, 6.ヴルトの踊り,7.仮面の交換,8.告白,9.怒り,10.仮面をぬぐ,11.大急ぎ,12.情景と帰り行く兄弟, というタイトルが付けられる予定でした。


ころころと劇的に変化する音楽は、当時の聴衆には中々受け入れ難く非難されることもありましたが、シューマンがピアニストとしての活動を始めた直後に作られたこの作品には、軽やかさやキラメキがふんだんに込められています☺️

 

3匹の蝶の舞をお楽しみください🌱

 

--📒✍️--

田坂麻木
ピアノリサイタル
音のパレットVol.3
Opus.Yellow

 

○日時/会場

2021/06/20(日)
14:30開演(14:00開場)
和光大学ポプリホール鶴川
ドレスコード:黄色

ホールは外気との換気システムがあり、皆様にはマスク着用・アルコール消毒・ソーシャルディスタンス等のお願いをしながら、感染予防対策を徹底して参ります。

 

○チケットについて
一般:3000円
学生:1500円※高校生以下

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/025w530ednm11.html

※東京都がロックダウン等によりリサイタルが中止になりました場合は、チケット代金全額を返金させて頂きます。